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公開
作成日:2022/08/02 11:55:46
更新日:2022/08/02 13:35:40

「SoftBank World 2022」基調講演

・頑張ろう!元気出るお話。

講演内容


皆さん、子どものときに蝶々を捕まえたことはありますか。僕は大好きで、網でたくさん捕まえて眺めていたんですけど、すぐ死んじゃう。かわいそうになって、逃がしてあげるようになりました。

あるときに幼虫の芋虫を見つけました。大事に育てていたら、ある朝起きると木の枝にサナギになってくっついていました。また何日か経ったらパーっと割れて、くしゃくしゃの羽の蝶が生まれてきたんですね。

みるみるうちに凛と張り張り詰めた羽に変わって、見事に美しいアゲハチョウになりました。芋虫からサナギ、蝶々と、姿も形も似ても似つかない。グロテスクなものから美しいものに変身した姿に感動を覚えました。



今日のテーマはデジタルトランスフォーメーション(DX)。ニュースでは、いまだにFAXで情報を送っていたなんていう話もあります。我が国がそんな状態だったのかと驚きました。

FAXがeメールに変わったぐらいであれば、芋虫がサナギに変わった程度。自慢する市長、県知事がおられますが、もう全然話にならない。美しい蝶々に変わらなければ、と心から思っているわけです。

単にデジタル化するだけではない。AI化まで進んで、本当の意味でデータをフル活用して、未来を予測する。いろんな変革をもたらす。そこまでいかなければ、本当の意味でのDXにならないと思います。



日本の現状はどうか。この20年間、日経平均は2.8倍でありました。一方、アメリカは遥かに大きく伸びている状況です。日本の競争力は今や、34位まで低迷しています。

このままではいけない。何が何でも巻き返さなければいけない。そのためのAI革命こそ、DXの行き着く先だと思っています。これが成されると、社会の原動力になります。未来が予測できます。

天気予報、為替、株価とかあらゆるものを需要予測し、様々な問題を解決することができるようになる。発明や開発を40倍のスピードで創出し、新製品開発も10倍早まるといったデータも出ています。



日本企業のAI導入率、世界では数えたくないぐらい遅れている。ロシア、チリ、スリランカにも。まず経営層に理解があるのがアメリカだと75%、日本は24%です。

「AIは必要なのか」と議論する有識者だとか、いろいろな人がいます。けれどその間に、世界の先進国各国はどんどん導入している。そういう議論をしてる暇もないという状況です。



デジタルとアナログ、1つだけ何が違うか。デジタルのモノにはCPUが入っています。データを処理できる、命令セットに置き換えられるわけです。データを大量に集めると、ディープラーニングで、AIとして様々な処理ができる。

インテリジェンスがそこに生まれる。そして他のデバイスをコントロールしていく進化も生まれてくる。デバイスそのもの、CPUの演算処理能力がどんどん進化しなければいけません。

進化はだいたい2〜3年ごとに倍。50年近くになり、「ムーアの法則に限界がきた」と言う人もいます。けれども私はそうは思いません。

5ナノ、4ナノ、3、2、そしてもうじき1ナノになっていきますが、水平に微細化が進むだけではなく、次はチップが上の階層に重なっていく。つまり3次元化する。CPU、あるいはGPUと組み合わせて、AIに特化したAIチップがどんどん生まれてくる。

我々のグループにはArmがあります。CPUの世界最大の、デザインの供給者です。Armだけで累積のCPU出荷数が2500億個を超えました。しかも、だいたい4〜5年ごとに倍です。

10年経たずして、1兆個の累積のCPUが生まれます。5年経つと2兆個になって、4兆、8兆になる。人類の数をはるかに超えています。人間は50個も100個も家やオフィスで使い、街のあらゆるところにCPUが蔓延る状況になります。



人間と人間がコミュニケーションするだけじゃなくて、人間とモノ、モノとモノがデータをやりとりするようになります。圧倒的なデータが生まれ、自動運転をこなすようなAIの進化になります。

3〜4年前、Teslaのイーロン・マスクが最新の工場を案内してくれたことがあります。驚きました。自動車の工場はいろんな人が働くイメージでしたが、ほとんど人がいない。

工場そのものが自動ロボットのような形で、ロボットが連携しながら組み立てていました。工場そのものが、ロボットを生み出していく。こういうAIの進化はデータ処理の進化であり、データを学習することの進化でもあります。

そのためには、圧倒的な量のデータがやりとりされる必要があります。インターネット革命が1994年から始まりましたが、バーッと一気に上り詰めています。ついに、ついにAIが本当に、利活用として、現実のものとして使えると。

人間の英知を様々なサブジェクト、様々なテーマで、超え始めています。船乗りの漁師さんの「潮に聞いてみる」というセリフは、もう全くAIを活用した天気予報には敵わなくなってきています。



ディープラーニングは人間がプログラムしなくても、自ら学習して進化していく世界でもあります。最近はノーコード、AIがプログラミングを自動生成するような時代にもなっています。

親しい友人のJensen率いるNVIDIAがGPUの世界ナンバーワンです。この処理能力が5年で13倍、学習時間が5年で900分の1、推論のコストが2年で33万分の1、なんていうことが起きているわけですね。



AIを活用できる会社と活用できない会社では、もう競争力が全く違う。そういう時代がやってくる。信じられないぐらい、目の前で進化がみるみる起きている状況です。

もし皆さんの会社、仕事、日常でいまだにアナログが残ってるとすれば、もうそれは話にならないということです。全ての処理をデジタル化しなければいけない。その上で、データをディープラーニング、マシンラーニングさせる。

それをAI革命として、皆さんの仕事そのものを進化させねばならないということです。



ソフトバンクグループも当然のことながら、率先してAIを活用しています。おそらく日本では、AIを日常の業務に最も活用していると思います。

ソフトバンクはユーザーが5700万人、モバイルでいます。ヤフーに8600万人、LINE9200万人、PayPayでも4900万人。数百社がグループにいますが、圧倒的な量のデータを徹底的に活用しています。

PayPayのスタートはいろんな不正に遭いました。悪さをされましたが、今ではAIを徹底活用して、不正は0.00何%。他の支払い方法に比べて、もうほとんど不正が出ないところまでAI処理で行えるようになりました。

ZホールディングスはAIの人材を5000人増員する計画を立てて、5000億のAI投資を行う予算をつけています。自慢話をあんまりしてもしょうがないですが、私は本当に申し上げたい。DX、そしてその先端のAI化を進めてほしい。



世界には、空を飛んでいくようなAIのユニコーン企業が1500社あります。そのうち約3分の1、475社で我々はビジョンファンドとして株主になっています。ほとんどが筆頭株主か、近いポジションです。

この世界中の英知を、ヤフー、LINE、ソフトバンクモバイル、Arm、PayPayとかいろんな会社に持ち込んで、日本そのものを進化させたい。我々の責務だと思っています。

皆さん、日本のDNAはハイテク国家なんです。ソニーさん、トヨタさん、ホンダさんだとか、戦後の焼け野原のから「なにくそ」と電子立国を遂げた。ハイテク世界のナンバーワン国家だったんです。

素晴らしいテクノロジーのDNAが日本のビジネスマン、日本のエンジニアにはあります。だから早く、今こそ目覚めて、最先端のDX、国家カンパニー群にして、世界中に日本から発信する。そうしなければいけないと思っています。

我々だけでは、もちろん駄目ですね。率先してやりますけれども、日本の全てのビジネスマン、エンジニア、教育者が目覚めて、芋虫のままでいないように。サナギでいないように。蝶になって大空を羽ばたき、駆け巡ってほしい。

全ては情報革命で人々に幸せを提供するために、AIを活用していきたい。我々も頑張ります。皆さんも頑張りましょう。「いつからやるんですか。今でしょ」って誰かが言ってましたね。やりましょう、今から。


参考


https://www.softbank.jp/biz/events/softbank-world/


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